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日本過酸化脂質・フリーラジカル学会は、1977年6月12日、早石修(京大医化学)、吉川政己(東大老年医)、山川民夫(東大生化学)、山村雄一(阪大内科),八木国夫(名大生化学)、五島雄一郎(慶大内科)の6教授を発起人とする「過酸化脂質研究会」発起人会に端を発する。第1回研究会は同年9月27日、八木会頭のもと名古屋で開催されている。過酸化脂質に関連する諸問題の研究の発展、向上を図り、研究者相互の連絡および親睦を深めることを目的とし、過酸化脂質の測定法・生成機構・生物学的意義・臨床疾患との関わりを主なテーマとして発展してきた。その後、過酸化脂質生成メカニズムにおけるフリーラジカル反応の重要性が指摘され、1987年10月より「日本過酸化脂質・フリーラジカル学会」と改名し、2003年より京都府立医科大学吉川敏一教授が会長の任を執っていた。
また、日本フリーラジカル学会は、国際フリーラジカル学会(Society for Free Radical Research: SFRR)の下部組織としての日本支部として1988年日本で開催された国際フリーラジカル学会を契機として設立されたものである。その後「磁気共鳴医学会」と2001年に合併し、2002年より、京都府立医科大学大学院医学研究科生体機能制御学 吉川敏一教授がその会長の任にあたっていた。当時に 2年に一度の国際学会年次総会、アジア支部総会、SFRR
AustralasiaとのJoint Meeting、年に一度の年次学術大会などの国際的な活動を行っていた。
数年来、両学会に共に所属する評議員の方々より、両学会を基盤として合併し、発展的新学会を設立してはとの意見が寄せられ、数年に亘る討議の結果、両学会より選出された合併検討委員会が設立され、以下のような理念、方向性で新学会設立を図ることとした。 |
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1) |
理念:新学会の設立により、新たな研究分野を取り込み、活性酸素、活性窒素、フリーラジカル、酸化ストレス、レドックス、ガスバイオロジーなどを研究テーマとする我が国を代表する学会となること。 |
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若手の教育:学会として積極的に教育セミナーなどを通して、若手研究者の育成を図る。 |
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学際的交流:癌、生活習慣病、アンチエイジングなどに対する画期的予防・治療法の確立に向けて学術的な共同研究を目指す。 |
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学会組織(基盤)の充実:組織的、学術的に確固とした組織を形成し、本分野ににおける社会貢献にもつとめる。 |
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2007(平成19)年6月に名古屋で合同開催された日本過酸化脂質・フリーラジカル学会第31回大会ならびに第29回日本フリーラジカル学会学術集会を機に、「日本過酸化脂質・フリーラジカル学会」(1977年設立)と「日本フリーラジカル学会」(1988年設立)が合併、両学会を発展的に解散し、新たに「日本酸化ストレス学会」として発足した。 |
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「日本酸化ストレス学会」は、昭和52年に開催された「日本過酸化脂質研究会」を源流としている。早石修(京大医化学),吉川政己(東大老年医),山川民夫(東大生化学),山村雄一(阪大内科),
八木國夫(名大生化学),五島雄一郎(慶大内科)の6教授を発起人として、昭和52年9月27日、名古屋観光ホテルにおいて過酸化脂質研究会発起人会、引き続いて31名の準備委員出席のもとに設立準備委員会が開かれ、会長(八木國夫教授)その他の役員の選定、会則の設定、事務局を慶応大学医学部内科に置くこと、年一回の研究会の開催、機関誌の発行などの設立発起人打合会での協議事項が承認され、日本過酸化脂質研究会が発足した。八木國夫を第1回会長として研究会は開始され、その後、1983年より日本過酸化脂質学会と改名され、1988年より日本過酸化脂質・フリーラジカル学会と改名され、長年にわたって、事務局を応用生化学研究所に置き、わが国の本分野での学術研究を常にリードしてきた。1996年には、犬山において「Pathophysiology
of Lipid Peroxides and Related Radicals」国際学会を開催した。さらに、学会誌として「過酸化脂質研究」、英文誌としてJournal
of Clinical Biochemistry and Nutrition (JCBN)を1986年に創刊し、学会における研究を支援してきた。血清過酸化脂質測定法としての「Yagi法」、組織過酸化脂質測定法としての「Ohkawa法」の開発、ならびに実験動物、臨床検体による測定により、本分野における革新的研究成果が数多く発表されてきた。
一方、1988年第4回国際フリーラジカル学会(4thISFRR)が日本で開催され、その組織委員の中核であった二木鋭雄(東京大学)と吉川敏一らによりフリーラジカル研究の推進のため、国際フリーラジカル学会の日本支部としてのSFRR
Japanが結成され活動を開始した。その後、年に一度の学術集会や1991年第5回酸素ラジカル学会(5thICOR)、1993年第6回国際スーパーオキシド・SOD学会、2000年第10回国際フリーラジカル学会(10thISFRR)を誘致し、活動を行ってきた経緯がある。SFRR
Japanは磁気共鳴医学会とも幾度かの合同開催後合併し、活動を継続してきた。二木、吉川の2名は国際フリーラジカル学会の会長を務める機会も得た。
このような活動の中で、両学会会員のなかで合併を模索する議論が開始され、両学会を代表して、島崎弘幸、小澤俊彦、寺尾純二、豊國伸哉、内藤裕二、藤井順逸の6名が合併検討委員会委員として指名され、合併に向けた問題点を調整した。結果、「日本酸化ストレス学会」(英文名称:SFRR
Japan)は、2007(平成19)年6月開催の日本過酸化脂質・フリーラジカル学会第31回大会ならびに第29回日本フリーラジカル学会学術集会を機に、「日本過酸化脂質・フリーラジカル学会」(1977年設立)と「日本フリーラジカル学会」(1988年設立)が合併し、酸素由来の活性種や各種フリーラジカルによる酸化ストレスに関する研究の進歩・発展に寄与すること、会員相互ならびに関連機関との連絡を維持し、本専門研究分野の知識の交流を図ることを目的とし、名称を新たに再スタートすることになった。第1回(31回と29回を合計して61回となった)日本酸化ストレス学会学術集会は2008年6月京都で吉川敏一会長として開催し、2009年内海英雄、2010年小澤俊彦と会長が引き継がれてきている。 |
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